そもそも、withコロナ・アフターコロナの世界をどう見るかというところを述べる必要があると思っています。
今後しばらくウイルスへの警戒は続くでしょうが、いずれワクチンの開発やウイルスの収束により、コロナ前の世界に、時間をかけて戻って行くだろうというのが私の意見です。
一方、コロナによって、M&A件数が増加していく事は間違いないものと考えています。そもそも事業承継問題に起因するM&Aは年々増加の一途を辿っているわけですが、未曾有の外部環境の変化に晒された経営者は誰もが自社の存続に向けて、危機感を従来以上に募らせているものと考えます。
その中で、今後M&A業界に入る人に求められるスキルは変わってきますか?というご質問ですが、基本的な部分は変わらないと考えています。
M&Aという仕事は、一人の経営者に譲渡を決断させる仕事です。これを遂行するにはそういった経営者と対等以上にわたり合えるコミュニケーション能力が求められます。それと同時に、法務、財務、税務、業界知識といったスキルセットも求められます。この様なコンサルタントとして求められる能力は今後も変わりが無いと考えます。
一方、最近感じるのが、この業界を取り巻くテクノロジーの進化です。従来はコンサルタント個人が職人芸的に手間暇をかけて対応するのがM &Aアドバイザリーでしたが、昨今では日々蓄積されるデータをいかに有効に活用し、いかに合理的・科学的に行動するかという事が求められる様になってきている様に思います。
M&Aアドバイザーとして最初に求められるのは案件のソーシングかと思います。このソーシングにおいても、デジタルとアナログを高次元で両立させた様な動きができる人材が求められるのでは無いでしょうか。