どうやら地域金融機関においては、コロナウイルス蔓延による政府の緊急金融支援の影響で、中堅中小企業から保証協会付融資の借入申し出が殺到している様で、第51話でご案内する様に、融資ラッシュという状況になっているとの事である。
過去であれば、東日本大震災が起こった際に、その後の混乱に備えて多額の資金調達に動く経営者が何名かいたのは記憶しているが、今回はその時の比では無いという印象である。
特に、今回の金融支援においては、融資制度全般軒並み元金返済猶予措置期間が設けられており、最長では5年の元金返済措置が可能という事で、ここ数十年で最も資金調達がしやすい状況が創出されていると言っても過言では無いのでは無いだろうか。
こういった状況下で私が経営者に助言している事は、
- まず資金繰を安定させる事・手元流動性を確保する事
- コストコントロールを徹底する事
- 既存事業が厳しいなら別の売上確保を急ぐ事
この三つである。
行動によってはこのピンチをチャンスに変え、新しいビジネスを生み出すことができる可能性は十二分にある。何事も考え方が重要である。
ともあれ、今回お伝えしたかったのは、そういった環境下にあっても、中堅中小企業経営者の事業承継課題の解決ニーズはとどまる事を知らないという事である。
地域金融機関は融資業務と同じレベルで事業承継問題の解決に向き合っていくべきであろうと思う。
そして新型コロナウイルスは、先行不安に起因する合従連衡ニーズを更に喚起し、譲渡依頼件数を押し上げるだろうと私は見ている。