M&Aの一連の取引を巡る利害関係人は、売り手経営者からすれば誰だろうか。交渉の相手方である買い手は勿論のこと、従業員、取引先と挙げられよう。
そして忘れてはならない利害関係者は、M&Aアドバイザーである。
売り手、買い手の経営者は、M&AアドバイザーからM&Aアドバイザリーというサービスを購入するわけである。その相手方のアドバイザーは経営者にとって最大の利害関係人の一人といっても過言では無いのではなかろうか。
M&Aの一連の取引においては、売りマンデートに始まり、株価調整、トップ面談、基本合意契約、買収監査、最終契約、とその全ての局面が「交渉」であると言える。
交渉とは、綱引きである。交渉とは、取引において自分にとって有利な結果を得るために、相手に対して働きかけを行う事であるが、交渉を優位に進める上で重要な要素の一つに、「交渉期限」という要素がある。
自動車の購入においても決算月というものがあるように、M&A専門会社においても決算月であったり数字を積み上げたい月というものが存在する。それは会社毎に異なるであろうがそういったバイアスは必ず存在する。
こういった事実を頭に入れてアドバイザーと付き合う事で、オーナー経営者の皆様は、より交渉を優位に進める事ができるのでは無いだろうか。