株式譲渡と事業譲渡の違い

M&Aコラム

株式譲渡と事業譲渡の違い

M&Aコラム

M&Aの定義は広く、例えば二者の経営資源を利用し相乗効果を発揮していくという事をその定義とするなら、簡単な業務提携もM&Aと言えよう。

一方、自身の経験上大半のM&Aは、株式譲渡と事業譲渡、大きく分けてこの二つに集約されると思う。
会社分割を活用したスキームなども存在するが、基本的にはこの二つのスキームをまずはご理解いただきたい。

まず、株式譲渡と事業譲渡、この二つは具体的に何が違うのか。まず株式譲渡であるが、こちらは、書いて字の通り、株式を売り手が買い手に譲り渡す。株券発行会社であれば、株式譲渡対価と引き換えに株券を引き渡す。
一方、株券不発行会社であれば、株式譲渡対価と引き換えに株主名簿を書き換える。この行為が株式譲渡という取り組みで実行される事である。

一方事業譲渡はどうか。こちらは株式を譲渡する事は無い。あくまでも売り手の株主はそのままで、その売り手の企業から、一部の事業を切り離し、それを買い手へ売却する。
例えばメーカーの一部門の場合、生産用の土地や建物、生産設備、あるいは売掛債券など。場合によっては、債務も合わせて譲渡するケースもある。これが事業譲渡である。

この二つの手法について押さえておくべき税務的な論点は大きく分けて二つある。

一つ目が、譲渡益に対する課税関係である。株式譲渡の場合、株式取得価格と株式譲渡価格の差額に、凡そ20%の税金が株式譲渡益として課税される。
一方、事業譲渡の場合は、譲渡価格から譲渡対象資産の価格を控除した差額について、譲渡対象会社が法人の場合は約4割弱の法人税が課税される(金額によりもう少し低いケースもある)。

二つ目の論点は、営業権に関する税務的な論点。株式譲渡の場合、仮に時価純資産2億、営業権3億、合計5億円の案件であっても営業権部分も含めて買い手の投資有価証券として資産の部に計上される為営業権部分の損金計上はできない。
一方、事業譲渡の場合、仮に譲渡対象資産が2億で、営業権部分が3億の場合、この3億を償却して損金計上をしていく事が可能となる。

一般的な事案で考えると、税務的には株式譲渡の方が売り手有利、事業譲渡の方が買い手有利と言える。

その他事業譲渡のメリットとしては株式譲渡の場合会社の簿外負債は引き続き存続するが、事業譲渡の場合は当該簿外負債は一切引き継がないという点はおさえておこう。

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株式譲渡と事業譲渡の違い

M&Aの定義は広く、例えば二者の経営資源を利用し相乗効果を発揮していくという事をその定義とするなら、簡単な業務提携もM&Aと言えよう。

一方、自身の経験上大半のM&Aは、株式譲渡と事業譲渡、大きく分けてこの二つに集約されると思う。
会社分割を活用したスキームなども存在するが、基本的にはこの二つのスキームをまずはご理解いただきたい。

まず、株式譲渡と事業譲渡、この二つは具体的に何が違うのか。まず株式譲渡であるが、こちらは、書いて字の通り、株式を売り手が買い手に譲り渡す。株券発行会社であれば、株式譲渡対価と引き換えに株券を引き渡す。
一方、株券不発行会社であれば、株式譲渡対価と引き換えに株主名簿を書き換える。この行為が株式譲渡という取り組みで実行される事である。

一方事業譲渡はどうか。こちらは株式を譲渡する事は無い。あくまでも売り手の株主はそのままで、その売り手の企業から、一部の事業を切り離し、それを買い手へ売却する。
例えばメーカーの一部門の場合、生産用の土地や建物、生産設備、あるいは売掛債券など。場合によっては、債務も合わせて譲渡するケースもある。これが事業譲渡である。

この二つの手法について押さえておくべき税務的な論点は大きく分けて二つある。

一つ目が、譲渡益に対する課税関係である。株式譲渡の場合、株式取得価格と株式譲渡価格の差額に、凡そ20%の税金が株式譲渡益として課税される。
一方、事業譲渡の場合は、譲渡価格から譲渡対象資産の価格を控除した差額について、譲渡対象会社が法人の場合は約4割弱の法人税が課税される(金額によりもう少し低いケースもある)。

二つ目の論点は、営業権に関する税務的な論点。株式譲渡の場合、仮に時価純資産2億、営業権3億、合計5億円の案件であっても営業権部分も含めて買い手の投資有価証券として資産の部に計上される為営業権部分の損金計上はできない。
一方、事業譲渡の場合、仮に譲渡対象資産が2億で、営業権部分が3億の場合、この3億を償却して損金計上をしていく事が可能となる。

一般的な事案で考えると、税務的には株式譲渡の方が売り手有利、事業譲渡の方が買い手有利と言える。

その他事業譲渡のメリットとしては株式譲渡の場合会社の簿外負債は引き続き存続するが、事業譲渡の場合は当該簿外負債は一切引き継がないという点はおさえておこう。