事業承継の失敗パターンとその理由を考えられるだけ考えてみました

M&Aコラム

事業承継の失敗パターンとその理由を考えられるだけ考えてみました

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当サイトをご覧のあなたは、M&Aの情報収集という目的もあろうかと思うが、今後事業承継を検討する上でヒントになる情報を得ようとお考えの方かもしれない。

事業承継を考える上で、M&Aはあくまでも事業承継の方法の中の一つの選択肢に過ぎない。

そして、事業承継の選択肢とは、同族承継、従業員承継、第三者承継(M&A)であり、大半の中堅中小企業は、この三つのうち、いずれかの手法での事業承継を迫られるという事となる。

今回は、表題にある通り、筆者が実務の中で見てきた事業承継の失敗パターンとその理由について、考え付く限り述べていきたいと思う。

まず一つ目。
子に承継する事を決断したが、事業の外部環境変化が激しく赤字が継続。優良企業が債務超過に追いやられたケース。
同族承継は、今なお、事業承継の選択肢として有力な選択肢の一つと言えるが、この事案においてオーナーは元々M&Aを検討していた。しかし、買い手候補が見つかり今後契約に向けて話を詰めていくという段階で、実施が後継者として名乗りを上げたのである。

元々、オーナーは今後厳しさを増す経営環境の中で、“継がせる不幸”になる事を防ぐべくM&Aを検討しており、子には秘密裏でM&Aを進めていたわけだが、子に打ち明けた所、自分が承継するとなったわけである。ご子息は決して経営者として不適格な人物では無かったと思う。
しかし、急激な環境変化に業態転換等が追いつかず赤字を余儀なくされ、債務超過に陥ったという事である。結果論だが、当該企業の場合、あのタイミングで譲渡を実行していれば一族のキャッシュは最大化していたはずである。が、このような結果となった。

この事業承継は失敗したと言えるが、なぜ失敗したか。事業の先行き見通しを見誤った為である。本件はこれに尽きる。どれだけ利益が出ている企業でも、どれだけ歴史がある企業でも、先々反映し続ける保証は無い。事業を承継するという事は単に株式を移転するとか、社長の座を譲るとか、そのような簡単なものでは無いとこの事例を通じて強く思った。未来永劫上がり続ける株は無い。出口の判断を誤り、まさに継がせる不幸に繋がったという点で、本事例は事業承継の失敗といえよう。

二つ目の失敗パターンは、信頼している番頭に社長を任せたが、結果的に番頭では承継が困難なケース。
中堅中小企業の事業承継は、所有と経営の一致が原則である。優秀な番頭に社長を任せるという事は、経営を承継するという事である。

一方、その間も株主はオーナーである前社長となる。いざこの所有部分を移転しようと考えた場合、この番頭に株式を買い取ってもらわないといけないのだが、そこそこ利益を出している会社の場合、中堅中小企業においても一億以上の株価が算定される事はザラにある。そんな価格のものを番頭が買い取れる可能性は極めて低く、また、債務保証をオーナーがしている場合、それも差し替えが必要となる。これを背負うという事も、事業承継上の大きなハードルとなる。

結果として、番頭を社長にしたは良いが、所有と経営を両輪で承継できないので、やはりM&Aしか選択肢が無いという結論に至り、譲渡を決断するオーナー経営者も少なく無い。

上記に述べたような要因で、従業員承継が失敗に終わる、あるいは選択肢として検討できなくなるというケースは多く存在する。

三つ目はM&Aによる事業承継を実行したが、従業員の多くの離反を招いたケース。
なぜ従業員が離反したか。中堅中小企業におけるPMIは非常に難しい。特に、買い手が買収後売り手の文化を理解しないまま、上から目線で自社のやり方を持ち込むケースは大半がPMIが失敗に終わる。

M&Aにおいては、買収実行までは性悪説で徹底的に相手の企業の中身を精査していくという姿勢が求められる一方、いざ買収した場合、対象企業の従業員をリスペクトして、信じるという姿勢も求められる。バリバリのトップダウンの会社が、真逆の企業を買収したケースでこういった姿勢は守られずPMIがうまくいかないというケースを多く見てきた。

さて、今回は、同族承継、従業員承継、第三者承継(M&A)の三つの事業承継における失敗パターンについて述べた。
どの承継手法を取っても、失敗パターンは存在する。また、そもそも何を事業承継の成功と定義するかによって、それが失敗かどうかの判定は異なる様にも思う。

例えば、株式を高値で売り抜ける事だけを事業承継の成功と定義するのであれば、PMIがうまくいかなくても、良い条件で譲渡できたなら成功という事ができるかもしれない。

事業承継のコンサルティングを行う上では、まず、クライアントの事業承継、あるいは人生のける成功とは何かという哲学的なところからヒアリングをスタートするというのは私がしばしば用いるアプローチでもあるが、事業承継の選択肢についてコンサルティングを行う場合、あるいはM&Aによる譲渡の検討についてコンサルティングを行う場合においても、常にクライアントの価値観に徹底的に寄り添うという姿勢を忘れずにいたいものである。

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事業承継の失敗パターンとその理由を考えられるだけ考えてみました

当サイトをご覧のあなたは、M&Aの情報収集という目的もあろうかと思うが、今後事業承継を検討する上でヒントになる情報を得ようとお考えの方かもしれない。

事業承継を考える上で、M&Aはあくまでも事業承継の方法の中の一つの選択肢に過ぎない。

そして、事業承継の選択肢とは、同族承継、従業員承継、第三者承継(M&A)であり、大半の中堅中小企業は、この三つのうち、いずれかの手法での事業承継を迫られるという事となる。

今回は、表題にある通り、筆者が実務の中で見てきた事業承継の失敗パターンとその理由について、考え付く限り述べていきたいと思う。

まず一つ目。
子に承継する事を決断したが、事業の外部環境変化が激しく赤字が継続。優良企業が債務超過に追いやられたケース。
同族承継は、今なお、事業承継の選択肢として有力な選択肢の一つと言えるが、この事案においてオーナーは元々M&Aを検討していた。しかし、買い手候補が見つかり今後契約に向けて話を詰めていくという段階で、実施が後継者として名乗りを上げたのである。

元々、オーナーは今後厳しさを増す経営環境の中で、“継がせる不幸”になる事を防ぐべくM&Aを検討しており、子には秘密裏でM&Aを進めていたわけだが、子に打ち明けた所、自分が承継するとなったわけである。ご子息は決して経営者として不適格な人物では無かったと思う。
しかし、急激な環境変化に業態転換等が追いつかず赤字を余儀なくされ、債務超過に陥ったという事である。結果論だが、当該企業の場合、あのタイミングで譲渡を実行していれば一族のキャッシュは最大化していたはずである。が、このような結果となった。

この事業承継は失敗したと言えるが、なぜ失敗したか。事業の先行き見通しを見誤った為である。本件はこれに尽きる。どれだけ利益が出ている企業でも、どれだけ歴史がある企業でも、先々反映し続ける保証は無い。事業を承継するという事は単に株式を移転するとか、社長の座を譲るとか、そのような簡単なものでは無いとこの事例を通じて強く思った。未来永劫上がり続ける株は無い。出口の判断を誤り、まさに継がせる不幸に繋がったという点で、本事例は事業承継の失敗といえよう。

二つ目の失敗パターンは、信頼している番頭に社長を任せたが、結果的に番頭では承継が困難なケース。
中堅中小企業の事業承継は、所有と経営の一致が原則である。優秀な番頭に社長を任せるという事は、経営を承継するという事である。

一方、その間も株主はオーナーである前社長となる。いざこの所有部分を移転しようと考えた場合、この番頭に株式を買い取ってもらわないといけないのだが、そこそこ利益を出している会社の場合、中堅中小企業においても一億以上の株価が算定される事はザラにある。そんな価格のものを番頭が買い取れる可能性は極めて低く、また、債務保証をオーナーがしている場合、それも差し替えが必要となる。これを背負うという事も、事業承継上の大きなハードルとなる。

結果として、番頭を社長にしたは良いが、所有と経営を両輪で承継できないので、やはりM&Aしか選択肢が無いという結論に至り、譲渡を決断するオーナー経営者も少なく無い。

上記に述べたような要因で、従業員承継が失敗に終わる、あるいは選択肢として検討できなくなるというケースは多く存在する。

三つ目はM&Aによる事業承継を実行したが、従業員の多くの離反を招いたケース。
なぜ従業員が離反したか。中堅中小企業におけるPMIは非常に難しい。特に、買い手が買収後売り手の文化を理解しないまま、上から目線で自社のやり方を持ち込むケースは大半がPMIが失敗に終わる。

M&Aにおいては、買収実行までは性悪説で徹底的に相手の企業の中身を精査していくという姿勢が求められる一方、いざ買収した場合、対象企業の従業員をリスペクトして、信じるという姿勢も求められる。バリバリのトップダウンの会社が、真逆の企業を買収したケースでこういった姿勢は守られずPMIがうまくいかないというケースを多く見てきた。

さて、今回は、同族承継、従業員承継、第三者承継(M&A)の三つの事業承継における失敗パターンについて述べた。
どの承継手法を取っても、失敗パターンは存在する。また、そもそも何を事業承継の成功と定義するかによって、それが失敗かどうかの判定は異なる様にも思う。

例えば、株式を高値で売り抜ける事だけを事業承継の成功と定義するのであれば、PMIがうまくいかなくても、良い条件で譲渡できたなら成功という事ができるかもしれない。

事業承継のコンサルティングを行う上では、まず、クライアントの事業承継、あるいは人生のける成功とは何かという哲学的なところからヒアリングをスタートするというのは私がしばしば用いるアプローチでもあるが、事業承継の選択肢についてコンサルティングを行う場合、あるいはM&Aによる譲渡の検討についてコンサルティングを行う場合においても、常にクライアントの価値観に徹底的に寄り添うという姿勢を忘れずにいたいものである。